「親に遺言書を作成してほしい」ときにどう伝えるか?やってはいけない NG編

あさひ行政書士法人です。
親に遺言書を作成してほしい時、皆さまならどのように声をかけますか?
子ども側だけの意見ではなく、親の心に寄り添いながら、なるべく自然な形で話を進めたいものです。しかし「遺言書を作ってほしい」という一言を口に出すのは相当勇気が必要だという方も多いことでしょう。
今回のブログでは、親にやってはいけないアプローチの例をご紹介します。
■遺言書の作成を強要するのはNG
遺言書を作成してもらいたいという思いが強い方にありがちですが、親に対して不安や恐怖を感じさせたり、プレッシャーを与えたりすることは、絶対に避けましょう。
遺言書の作成を強要するために、親をおどしたりだましたりすると、遺言内容が親自身の意思ではなくなります。相続人である子どもがこれらの行為に関与した場合、相続人自身が「相続欠格」(※)に該当し、法律上相続権を失う可能性があります(民法第891条)。
遺言書はあくまで本人の自由意思に基づいて作成されるものです。
親の意思と無関係に作られた遺言は法的に無効となりますので、遺言書の作成を強要することは絶対にNGです。
※「相続欠格」とは
遺言書の偽造・変造や強要などを行った相続人は、法律上の相続権を剥奪され、いかなる形でも財産を相続できなくなる制度
■真意に反する遺言書を作らせる行為はNG

強迫や詐欺だけでなく、過度な精神的プレッシャーや不必要な干渉も、親の真意に反する遺言書を作らせる行為として問題視される場合があります。
親が病気・高齢といった理由で遺言書の文面を考え作成することが困難な場合には、代わりに子が文案を作成するケースもあるでしょう。その場合は、文案の強要にならないようにすることが重要です。文案の確認はもちろん、最終決定は親が行わなければなりません。
■「遺言書」にする理由を分かってもらう
「介護をしてもらっている分、多く相続させる」「一緒に住んでいるあなたにこの家を相続してほしい」等、口頭では今後発生する相続について話す機会があるかもしれません。
ただ、正式に遺言書として残っていない場合、法定相続人(※)間で話し合う際に、その希望がどこまで通じるかは不明確です。「そんなことは聞いていない」と一蹴されるかもしれません。
遺言書を作成することで、相続手続きがスムーズに進み、相続争いを避けることができます。
親子で遺言書について考えることで、万が一の際にも安心して過ごすことができますね。
※「法定相続人」とは
民法によって定められた相続人
■エンディングノートを活用する
遺言書作成の前に、エンディングノートを作成することを勧めるという方法もあります。
エンディングノートは、遺言書のような法的効力はありませんが、親の希望や意思を整理するための手段として有効です。
最近は多くの中高年がエンディングノートを利用しているため、子どもが利用したことをきっかけに親にも勧めやすくなります。逝去の際の希望や決め事についてはエンディングノートに、財産の行方については遺言書に、と役割を分けて話し合うことで、今後を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
■最後に
相続が起きたとき、最も悲しいことは、ご自身が残した遺産をめぐって残されたご家族が争うことではないでしょうか。一度相続で争いになった関係は、その後修復されることはほとんどありません。
ご自身が希望するエンディングを迎えるために、遺言書の作成や相続にお困りの方をサポートします。
ご相談はあさひ行政書士法人まで、ぜひお気軽に相談ください。
●あさひ行政書士法人 遺言書
https://group-asahi.jp/asahi/service/#yuigonsyo